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写真額縁の選択とセッティング

♪ For Your Babies (by Simply Red)
 --- そこに壁があるなら額を飾ろう!

額装しよう!

写真を撮ってフィルム現像してプリント処理して...そこまでいけばお気に入りの写真を額に入れて飾ってみましょうよ!
部屋に飾るだけで撮影したあの時のことを思い出しますし、今度はここを変えて撮影しても良いかなぁという撮影意欲もフツフツと沸くかもしれません。
『じゃあお気に入りの写真を飾ってみようかしら?』
っと思ったら早速下調べをしてみましょう。なぜ下調べがいるかといいますと、プリントした印画紙が決まっていれば全ての額装の方法が決まっている というものではなく、貴方の好みによる選択肢が幾通りもあるからなんです。額の大きさや色や材質あるいはマットボードによる加工方法や枠の大きさや 位置あるいは固定方法など...多岐にわたって貴方が選択して一番好みのものを作っていくわけです。
まずは額装したい写真の印画紙サイズと露光範囲の画の縦横サイズを測ってから、本編だけでなくドライマウントマッティングのページも一通り御覧になられた後に、貴方の好みの額装スタイルをイメージして決めていただくと 理解しやすいかと思います。
貴方の撮った写真を実体として飾ってみましょう。気負わずに、軽い気持ちで徐々に仕上げていくような感じで良いかと思います...ここまでくると慌てる 必要なんて少しもないですから。

※本サイトではマッティングを施して額に装てんする方法だけを記述しております。
アクリル板2枚で挟みこむポスターフレームや、木製フレームに印画紙を直接貼りつけるパネル貼りなどは説明しておりませんので、あしからずご了承くださいませ。


【額の種類】

本当にたくさん種類があります。それは、額は写真だけではなく油彩キャンバスを収納するものや書画あるいはコレクション的なものを収納できるような 額など多彩に用意されているためです。この項では写真を額装するという観点だけで額を選ぶときのポイントを記述していきます。選ぶときには額縁屋へ 行くのも良いのですが、まずはインターネットで販売されている額縁でどのようなものがあるかを下調べした方が良いかもしれません。

・収納品による種類
油彩額や日本画額などがありますが、厚みの無い写真に使用できるのはデッサン額と呼ばれるものになるかと思います。そのデッサン額の中でも 写真サイズに合わせたものを写真額と呼んでいます。その写真額の中でも有名なのがニールセンのアルミフレームで、写真展などではよく使用 されているブランドではあります。(結構高価なので私は持っていませんが...)
ただ販売している写真額って落ち着いた雰囲気のものがほとんどなんです。アルミフレームならブラックかシルバーで額縁もフラットに近い狭い額縁の ものが大多数を占めます。私の写真は地味目の写真がほとんどなのでそれらで良いのですが、人によっては写真額では物足らないこともあるかと思います。 そのようなときには、デッサン額で探して見ますと意外と派手目なものなどが見つかります。基準となるサイズが異なるのは注意点ですが、自分で マッティングを行えば容易に合わせられるかと思います。(海外では写真額でも多彩に用意されているようで羨ましいのですが...)
ここでは写真額だけでなくデッサン額も含めた内容で記述しております。

・額縁の材質
額縁はアルミ製・木製・樹脂製とあります。木製では木をそのまま使ったものやMDFと呼ばれる木材チップを固めて成型したものもあります。
色や形はそれぞれ多彩に用意されていますので、好みのものを見つけていただければ結構かと思います。カラフルな額縁を使いたい場合の配色と しては、写真内容の配色と近いものを選ぶ方が良いと一般的に言われていますね。額縁の形状もフラットなものやラウンド形状のもの...あるいは 何らかの装飾を施しているものもあります。

・額の表面
額の表面はだいたい2mm厚程度のガラス製とアクリル製が用意されています。塩ビ製などもありますが、ガラスかアクリルを選ぶ方が良いかと思います。
ガラス製はホコリも付きにくいし歪みがないので良いのですが割れると大変なことになりますので、私はアクリル製を使うことが多いです。

・額のサイズ
少量生産のもので無い限り多彩なサイズが用意されています。少し高くなりますが、オーダーメードすればmm単位で好みのサイズに作ってくれます。
注意点として、写真額であれば写真サイズごとに用意されていますが、デッサン額では写真サイズの呼び名と同じものでもサイズが異なるということです。 四切や半切や大全紙などの呼び名サイズが写真サイズとデッサンサイズでは全く異なりますので、必ず表示されているmmサイズで確認しましょう。
また写真額でもサイズ表記を、収納する印画紙サイズで表記するものと額全体のサイズで表記するものとがありますので注意が必要です。

・額縁形状
お気に入りの額縁が見つかって縦横サイズもピッタリだった場合でも、額縁のカット図を見て 厚み が収納できるか確認する必要があります。 そう、縦横サイズが合っていても奥行きが足らなければ収納できないのです。
では下図のカット図を見ながら考えていきましょう。額縁の形状が色々あるのでカット形状もそれぞれですが、ここで大切なのは赤丸で囲んだ数値になります。
下の3パターンのカット図では最大収納厚みが11~16mmの範囲にありますので、収納するもの全ての厚み合計がこの数値より小さい必要があるわけです。
収納として考えられるものをあげてみますと、
1) 額の表面(ガラス製あるいはアクリル製)
2) マッティング(印画紙も含めて)
3) 額の裏板
4) その他(台紙や無酸性紙など)

があげられます。仮に 1)=2mm, 2)=3mm, 3)=2mm, 4)=0.5mm以下 とすると、最大収納厚みが7mm弱ほど必要になるわけです。2)の マッティングは加工方法によって変わりますが他はあまり変わらないかと思います。ですので額の最大収納厚みから5mmぐらい 引いた数値が、マッティング厚よりも大きければ大丈夫な場合が多いわけです。(私は最大収納厚みは8mm以上あるものを選んでいます)
なぜこの項目を長文で書いているかと言いますと、量販店などで販売している写真額には1)3)4)サイズを引くと2mmも余裕が無いものがたくさんあるからです。 4plyのマットボード2枚を使ってブックマット加工しても額に入れることができないため、加工方法を変えるか再び額を 選ばないといけなくなります。購入前にはインターネットでカット面を調べるか店頭で店員さんに聞くようにするようにしたほうが良いですね。

額縁形状

・裏板を押さえるタイプ
実は上記の「額縁形状」で1つ収納として考えられるものを記述しておりません。それは厚み調整材と呼ばれているものです。
裏板の押さえ方の違いによって必要であったり不必要であったりするため、上記項目に入れなかったわけです。
額の裏板は2mm厚ぐらいのベニヤ板やMDF板などでできており、それを額から外れないようにするために留具や溝で固定をするのですが、その際に額の奥行きを 調整できるタイプのものと固定で調整できないものとがあります。それらの違いを下図に示しています。
額の厚さを調整できない固定式の場合には上記「額縁形状」で記述した最大収納厚みに余りができた場合には、なんらかの厚みを調整しないと展示物が 額内でぐらぐらして上手く飾れないということになります。一方、弓形バネで裏板を押さえる調整式である場合には厚み調整材無しで収納できるようになります。
固定式の場合に使用する厚み調整材は、比較的安価なダンボール板・発泡スチロール板から高価で汚染の少ない無酸性フィラーボードまであります。その時には 余りの厚さ分の厚み調整材を使用ください。(場合によって複数枚必要になる場合もあるかと思います)

裏板押さえ

いろいろと額の種類で書いてきましたが、デザインや大きさはある程度簡単にイメージが浮かんで好みで選択できるのですが、「額縁形状」や 「裏板を押さえるタイプ」の項目は忘れがちな項目な上に数値を開示していない有名メーカーもあるために額選択に失敗してしまうことも多いような気がします。 (私はいくつもの使えない額が押入れに眠っております...)
せめて上記項目ぐらいは開示している額を選択して、満足いく額装で貴方の素敵な写真を飾りましょう。


【額の設置方法】

額立てや卓上フレームで飾るという方法でなければ、壁などに額を飾ることになるかと思います。設置する場所は直接外光に常時照らされるところをなるべく 避けた方が経年劣化を考えるといいかと思います。
ここでは壁に額を設置する方法として2通りの方法を記述しますが、その前に額の方の吊金具に紐を通してしっかり結んで(本結び)おきましょう。
吊金具の位置を移動できるものは安定した場所で固定してください。紐が不安であればステンレスワイヤーを使っても良いです。

吊金具

では壁掛けですが、なによりも額を飾る所の材質を知っておく必要があります。
コンクリートや石膏ボードあるいは木材...和室であれば土壁だったりすることもあるでしょう。コンクリートは手軽に金具を付けられるものではありませんし、 同様に扱いにくい土壁も避けた方が良いように思えます。
住まいがマンションだとコンクリートと石膏ボードで構成されているのが多いかと思います。石膏ボードだと思っていたところがコンクリートだったなんて... ことが無いようにしましょう。壁を叩いて軽い音がするのが石膏ボードで鈍い重い音がするのがコンクリートですので、くれぐれも間違いないように。
では設置する方法を2通りではありますが書いていきます。ただ注意点として、フックにしてもピクチャーレールにしても額装する重みの耐荷重というものがあります。
これら金具を選択するときには、額装時の荷重を余裕で支えられる金具を選ぶようにしてくださいませ。

1) フックを壁につける

壁掛けフック

家で額装するには一番良い方法ではないでしょうか。壁掛けのフックも額装すれば見えませんので壁に額装された貴方の写真が浮かび上がるような 感じで飾ることができます。
ここで使用するフックの多くは石膏ボードに打付けるピンタイプのものが用意されています。設置する場所と位置が決まれば、金槌でピンを打ち込んで固定します。
また種類が少ないですが、木材壁の場合のネジ式のものも用意しています。こちらはプラスドライバーで捻じ込んで固定します。
石膏ボードと木材壁でうまくフックのタイプを使い分けてください。
あと安全と設置のことを考えて、ひとつの額に対してフックを2個所に設置することをお勧めします。

2) ピクチャーレールを桟などにつける

ピクチャーレール

壁がコンクリートや土壁の場合はなかなか額装しにくいです。そのようなときには上部にある桟にピクチャーレールを設置することで額装できるようになります。
長いレールに沿ってフックが左右自由に移動できるようになっており、そのフックにワイヤーによって額を吊るようになっています。
ギャラリーでもピクチャーレール使用前提のところとかもありますね。壁を傷つけたくない時には非常に良いかと思います。ただワイヤーが常時見えてる状態で飾りますので、 人によっては気になることもあるような気がします。
私が家で使用しているのは最小単位であろう60cm長のものですが、大きな部屋であれば何メートルもの長さのもので設置するのも爽快で良いかと思います。(何個もの額装を 同条件で並べることができますし...)
1)と同じなんですが、ここでもひとつの額に対してピクチャーレール用のフックを2個使用してもらうほうが安全面でいいかと思います。


【額装の中身】

あくまで一例ということで額に収めるものを下図に示しています。(白色でわかり難いので境界を点線で表しています)
裏返して額装している途中の図ですので順番は手前の方が裏になります。またブックマット加工であればオーバーマットとバックボードは ヒンジで繋げて一体化しているかと思います。
台紙(単なる厚紙)と無酸性紙を挟んでいますが、これは裏板の影響を軽微するために挟んでいます。(ほんとうはフィラーボードとかの方が良いんでしょうけど...)
額装の中身の加工などは、ドライマウントマッティングのページも御覧になっていろいろと考えてくださいませ。

額装の中身